欠点者の補習後の空き教室
一ページ 二ページ。
一枚一枚ゆっくりめくる
ストーブのせいで息苦しい。
黒板けしで乱雑に消された汚い黒板を見る
今日の当番は『ぼく』
 当番は窓を閉めて、ストーブを消して 電気を消さなくてはいけない
彼女を残して帰ってしまいたかったのだが
興味本位で残ってしまった
「そろそろ帰ろう」
そういうと、彼女はページをめくる手を止めた
「・・・・・もうちょっと。」
視線は本から離れなかった
僕は苛立ちが少し募った。
今日早く帰らないと、電車に乗り遅れてしまう。
いらいらと時計を見た
たまにはいいじゃないですか その本はとても薄い本だった。

分厚いメガネをかけた彼女は黙々と読む
ケータイを取り出そうにも、今日は家に忘れてきてしまった
「なに読んでるの。」
「本」
「いや、だから、その内容」
「普通の本」
「・・・。そんなのわかってるよ・・。」
「内容は少女と少年の」
そこで、途切れた
「今日、ホント寒かったよねー。女子スカートじゃん?
寒くないの?。」
「寒い」
「・・・。」
そういうとまた一枚ページをめくった。
「・・・・あー・・あーのー・・。」
ピク、と彼女の肩が動いた気がするが・・・。
気のせいだ
「もー・・もう、クリスマス・・だよね」
「そうね」
「予定あるの?今日」
「ないわ。」
「・・あー・・そー・・かーぁ・・。恋人はいいよねーぇ・・。」
「・・・ねぇ。」。
俯いている
ぼくは ん? といった。
「・・暇?。」
「・・・・はい?。」
今は、暇
危ない危ない、喉まで出かけた。

薄い本をめくる
・・・・あれ?
「・・・」
静寂だけが辺りを包む
いつの間にか日は落ち
暗闇が顔をのぞかせていた
まるで、アリスが落ちていった洞穴のように
・・じっさいは、洞穴の暗さなんて知らないけどさ
ペラリ
かのじゃが本をめくる音だけしかしない
恋人たちのクリスマス
赤いサンタは恋人に薬局で・・
「おうっ!!!いかんいかん・・。」
彼女が手を止めた
薄い本を閉じた。
「・・ねぇ。」
さっきまで、変な妄想をしてしまった僕はあわてて彼女を見た
「この本何ページだと思う?」
「さぁ。100くらい?。」
「実は50ページ。20分もあれば読めるわ。」。
あれ。
あれ??
「さて問題です。何時に学校は終わったでしょうか?」
彼女は悪戯っこのように笑った
「たしか、4時半」
時計を見れば、もう六時半だった。
彼女はかばんを肩に引っ掛けると顔を赤くした
「メリークリスマス」
彼女は僕にマフラーを巻いた。
そして、走りさった
僕は、数秒固まって、顔を赤くしてストーブを切り
あわてて彼女を追いかけていった。

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